前回までで投資信託【基本編】が終了して、今回からは【実践編】に入っていきます!
いざ投資を始めるってなったときに考えておきたいことや準備、実際に銘柄を選ぶときの基準などについてこれからお話ししていきます。
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今回は投資を始める前に考えておきたいお金のこと、つまり家計管理についてお話ししようと思います。
『家計管理がすべての基本!』である理由
テレビの特集とかでも簡単にマネできる節約術!や〇〇をお得に買う方法!などはよく見かけますが、家計管理についての特集ってあまりありません。
クーポンを使って安く買えた!ポイントバックでお得に買えた!など上手に節約を出来ている方でも、家計管理が疎かになっている方もいるようです。
ですが節約や投資を差し置いて、家計管理がすべての基本です!
これが出来ていなければ気づかないうちにお金を流出させることになってしまい、コツコツした努力が水の泡になってしまいます。
では家計を管理するっていったいどういうことなんでしょうか?
そして、どうして家計管理が大切なんでしょうか?
家計管理の目的は、必要なタイミングで必要なお金を準備出来ていること
私は家計管理が必要な理由をこんな風に考えています。
結婚するとき、子供を産んだとき、車を買うとき、家を買うとき、子供が進学するとき、仕事を辞めたとき・・・。
人生のライフプランの中で大きくお金を使うタイミングってあります。
人によってはビジネスや大きな夢のためにこの時期にたくさんのお金を使いたい!って人もいるかと思います。
何の準備なしでもなんとかなっちゃうこともありますが、その場合お金に振り回される可能性が大きくなってしまうので、やりくりが大変・・・と感じてしまうかもしれません。
人生は予定通りにはいかないものの、いつお金が必要なのか、その時いくら必要なのかということを把握して、それに備えることは自分の家計をより安全に運営してためには必要なことです。
特に、これから投資を始めようとしている方は、この家計管理が出来ていない状態だと思わぬ落とし穴にはまる可能性もあるので注意が必要です。
何故家計管理が投資に必要なの?
家計管理が出来ていない状態で投資を始めた場にはまる可能性がある大きな落とし穴は、
「必要な時にお金(現金)がなく、急遽投資信託を売ってお金を作らないといけなくなった」ということです。
突然の失職、事故や病気、災害、その他意図せぬタイミングで大きなお金が必要になることがあります。
そんな時に現金を持ってなく、投資信託などの金融商品ばかりを持っていたら、暴落中の価値が下がっているタイミングでの売却が必要になって泣く泣く損をして売ることになる可能性があります。
せっかくこつこつ積み上げてきたものを崩してしまうのは嫌ですよね。
じゃあそうならないためには「何にでも使うことが出来る、予備の貯金」というものが必要になりますが、これをいくら準備するのかということを考えるときに、自分のライフプランにおいてどのタイミングでどの支出が発生するか把握しておく必要が出てきます。
「予備の貯金」をどれくらい持ち、自分の資産のうちのどれくらいを投資に充てるのかにもよりますが、投資金額を大きくしたいのであればあるほど、ライフプラン上で必要な支出金額を「予備の貯金」に+αして準備する必要があります。
このライフプラン上で必要な支出金額を準備するための期間が、5年以内であるならば暴落に巻き込まれない現金での準備が必要ですし、逆に10年~15年など準備期間が長いようでしたら、投資で運用して効率よく増やしていくことも可能です。
そんな風に家計管理は、投資を安全に続けるためにも必要なものでもありますし、より効率よく家計を運営していくための選択肢を増やすためのものでもあります。
【※注意!】節約だけではお金が貯まらない理由
もし投資をしないにしても、家計管理はとても大事なものになります。
節約をどんなに頑張っていても、家計管理が出来ていなければお金は貯まるどころか気付かないうちに流出してしまうからです。
節約と家計管理は別物です。
節約とはいかに安く、お得に買うかということで、家計管理はどのタイミングで買うかということです。
家計管理では貯金の目標と計画を立てて、それを達成するためにどんな風にやりくりしていくかを考えます。
「〇〇が欲しいけど、これ買ったら予算オーバーしちゃうなあ・・・」
となった時に、
「〇〇はなんとか今度にしよう!」と考えたり、「〇〇買う代わりにこれを今度にして予算内に収めよう!」と考えたりします。
支出に振り回されるのではなく、支出をコントロールします。
家計管理が出来ていなくて、節約のみをしている状態というのは、目標が曖昧になっていて、このタイミングでの支出が貯金目標にどんな影響を及ぼすのか理解できていないという状態になります。
その結果毎月の貯金額がバラバラになってしまい、思ったより貯まっていないなあ・・・ということに繋がります。
安く買うことは大事なことですが、お金を貯めるには毎月一定ずつ目標金額は貯められるように支出を管理していくことが必要です。
最低限把握しておきたい家計のこと
ちょっと堅苦しい話が続いて家計管理ってめんどくさいなあ・・・と思われたかもしれませんが、実際にはいくつか要点を抑えて把握しておけばとりあえずなんとかなります。
そして私個人としては、毎月家計簿をつけることが必ずしも必要なことではないと思っています。
家計簿は家計の問題分析と解決に役立ちますし、家計改善をするときには必須なツールとなりますが、日々の家計管理は家計簿なしでも出来ます。
投資する前に最低限把握しておきたい家計のことは、
・毎月の、そして毎年の収入はだいたいいくらなのか
・毎月の、そして毎年の支出はだいたいいくらなのか
・いつまでにいくらお金が必要なのか
・今いくら貯まっているのか
これだけです!
毎月、そして毎年の収入や支出が分かれば、だいたいどれくらいの金額を1年間で貯められそうだなあっていうことが分かりますし、いつまでにいくらお金が必要なのか、そして現在の貯金額が分かれば、お金が必要なタイミングに向けての準備が間に合うのかどうか、間に合わない、もしくはきついのであればどれくらい投資での運用に頼ることが必要なのかが分かります。
きっちりこれくらいの年利で運用するっていうのは難しいですが、自分の家計において最低限どれくらいの年利での運用が必要なのかが分かれば、無理して高すぎるリスクを取る必要もなくなります。
いざという時の命綱!生活防衛費って何?
急にお金が必要になったときに投資信託を売らないで済むようにするために、「予備の貯金」を準備しましょう、と言いました。
この貯金のことを、「生活防衛費」と言います。
生活防衛費とは、文字通り、生活を守るためのお金です。
休職や失職、事故や災害など何かあって収入が減ったり途絶えたりしてしまった時に、出来るだけ普段通りの生活を維持するためのお金です。
この「生活防衛費」があるからこそ、私たちは安心して投資をすることが出来ます。
この「生活防衛費」、どれくらいの金額の準備が必要なのかというと、最低でも生活費の3か月分~2年分と大きく金額に開きがあります。
この金額の差は、投資をする人の働き方や家族構成、考え方などによって変わってきます。
つまり独身の会社員で安定した給料があり、休職の時や病気の時の手当もしっかり出るような方であれば、生活費の3か月分を現金で貯めてしまえばあとは投資に全力投球出来るのかもしれませんし、自営業の方で保障が少ないような方や、扶養する家族がいたりする場合はもう少し現金を貯めておく必要があるのかもしれません。
育児休暇をとった時の育児休業給付金は出産時から約4か月半~5ヶ月後、自己都合で会社を退職したときの失業手当は退職後約100日後に振り込まれます。
出産や失業でこれくらいお金が入ってこない期間があることになりますから、私個人としては「生活防衛費」は最低でも生活費の6か月分くらいは欲しいかなと思っています。
そして、私自身は生活費の1年分を準備するつもりです。
投資はいつ始めるべきなの?
「生活防衛費」は投資を始めるために必要な貯金です。
ですが、場合によっては何百万にもなるこのお金を貯めきるまで投資は出来ないのでしょうか?
「投資はいつ始めるべきなの?」という問いに対しての私の回答は、
「出来るだけ今すぐに!」です。
本格的に多くのお金を運用するには、生活防衛費の準備を完了し、投資信託に対する理解を十分に深めてからのほうがいいと思っていますが、生活防衛費の準備に時間がかかってしまったり、いろいろ悩みすぎてスタートに時間がかかるようであれば、とにかく月に1000円でも積み立てをしてみてほしいです。
それは何故なら、
投資は始めるまでがとても長く、
そして、
お金が増えた、お金が減ったなどの時に自分がどんな感情を抱くのかは実際に投資をしないと分からないからです。
証券会社に口座を作り、入金し、銘柄を選んで積み立て設定するのは少しだけ手間です。
また今までにやったことのない新しいことを始めようとすることになるので、一歩踏み出すにはエネルギーがいります。
だからこそ、投資に興味を持って、やってみたい!と思っている今のうちに始めてほしいと思っています。
そして今まで預金だけをしていた方が投資を初めて自分の資産が増減するのを見るようになると、おそらく値動きが気になるのではないかと思います。
ちょっとでもお金が増えたときはわくわくしてすごく嬉しくなったり、逆に含み損になっていたらテンションが下がったり不安になったり・・・。
実際に自分のお金が絡んでくるので、よほどの人じゃない限り心が揺さぶられます。
投資を続けるためには、この心の揺れ動きに慣れる必要があります!
これに慣れてしまわないうちに多額のお金を投資に回すと失敗する可能性が出てきます。
ちょっとお金が増えたのを目の当たりにして、これはもっとやるべきだ!もっとお金を入れたらもっと増えるに違いない!と思ってすぐに増額したりすると、次に大きな下げや暴落が来て含み損になったときに急に怖くなってしまうかもしれません。
金額が大きければその分下げる金額も大きくなりますから、「こんなはずじゃなかった・・・」なんて感じる可能性もあります。
それに浮かれて金額を急に増額した場合、それが自分のマネープランから外れてしまっている可能性もあります。
しばらくは家計からこれくらいの金額を投資にまわして、だから全体の支出はこれくらいだ!って計画していたものを自分で崩してしまうことになるからです。
それが自分でコントロールできる範囲内でやっているならいいですが、そこで事故など何かがあってお金が必要になったときに「あれ、足りない・・・」と初めて気付くことになってしまったりすると危険です。
逆に大きく利益が出たときは、今度は利確してちょっと使ってしまいたい誘惑と戦うことにもなります。
これだけすぐに利益が出たのから、今回は売ってしまってまた最初からやればいいやー!なんて思ってしまうかもしれません。
明確に使うタイミングが来たときや、自分の投資戦略を変更するときに利益確定売りをするのはいいですが、ちょっと使いたくなったから売ってみよう!なんてしていたらいつまでたっても資産は作れません。
投資は結局のところ、自分の欲との闘いです。
どんな時も淡々と続けることが必要です。必要以上に浮かれることも、必要以上に恐れることもしないほうがいいんです。
でも最初は誰だってそれが出来ません。だって慣れていないから。
だからこそ、最初は少額で初めて、値動きと自分の感情の動きに慣れてほしいと思っています。
そしてそれには時間がかかるから、出来る限り早く少額で投資をしてみてほしいと思っているのです。
最初から自分の投資戦略を確定させてこの銘柄でいく!!と決めてなくてもいいので、とりあえずは買っても問題のないインデックスファンドを選んで投資してみてほしいのです。
途中でやりたいことが変わったら、どこか利益が出たタイミングで利確してもいいし、そのままにしておいてもいいですから。
ちなみに私は1年たったら自分の投資信託に興味がなくなりました 笑
増えても暴落きたらどうせ減るし、暴落きてもいつか戻るし・・・と思ったらいちいち資産評価額を確認しなくなりました。
今後もリバランスの時以外はきっと見ないと思います。
自分の投資信託に過度な興味を抱かなくなったら、資金の増額をしてもいい時期なのかもしれません。
なんにせよ15年20年とすごく長い時間をかけて資産を増やしていくことになるので、今から一喜一憂していたら身が持ちません 笑
まとめ
投資を本格的に始めるときには、「家計管理」がしっかり出来るように整え、「生活防衛費」を準備しましょう!
「家計管理」では、「何年後にお金が必要になるイベントがあるのか」を把握することが大事です!
それが5年以内であるならば、現金での貯金で貯めていかないといけないし、15年くらい時間があるなら運用も可能です。
そしてそのお金が必要になるイベントに備えて、自分がお金を準備することが出来るのかを知るために、以下のことを把握しましょう!
・毎月の、そして毎年の収入はだいたいいくらなのか
・毎月の、そして毎年の支出はだいたいいくらなのか
・いつまでにいくらお金が必要なのか
・今いくら貯まっているのか
必要な「生活防衛費」の目安は生活費の6か月~1年分くらいです!
「生活防衛費」+今後5年以内に必要になるイベントのお金を準備しましょう。
それ以上のお金は投資にまわしても大丈夫です。
そして「生活防衛費」が貯まりきっていないからといって、投資を始めたらだめなのかというとそうではなくて、
出来るだけ早くから少額でやってみましょう!
やらないと分からないことがたくさんあります!
これで今回のお話しはおしまいです。
長期で投資をしていくにあたっては大事な準備になっていますので、よく考えてみてほしいです。